2022/06/17 14:31


更新が遅くなりましたが今回は本プロダクトのデザインの要、コンチョのお話。

前回もお話ししましたがATTACH(ベルト装着型スマートフォンケース)の着想は

和装で使う「根付×巾着(印籠)」が出発点。

巾着は携帯時に帯に引っ掛けて持ち歩いたそうです。その引っ掛ける留め具が「根付」と言うものです。

この根付が江戸の昔、デザイン的に大きな意味をなしたそうです。

当時の皆さん競うように、個性を出しておしゃれにデザインしていき

加工技術も多様化していったそうです。

その美しさは海外で高く評価されコレクターも多数いるようです。


トゥーリーチワークスでもこの携帯文化をリスペクト。

本プロダクトでは根付にあたる見た目の遊びを「コンチョ」に求めました。

その為コンチョのバリエーションを多く用意していきたいと思います。


純銀とは100%の純度とは限りません

革製品とマッチしてデザインの自由度が高い素材として銀加工にたどり着きました。


使用している銀は「silver925」と言われる銀の含有度92.5%の純銀です。

100%でもなくても純銀と言うのですね。100%の銀は柔らかく傷がつきやすい等、日常使用では使いづらいとされています。

ですのでアクセサリーなどに使われている、いわゆる純銀と言われるのはこのsilver925

金属加工は学生時代に多少経験はありましたが銀は今回が初めてです。そこでトゥーリーチワークスではいちから銀細工を知るために、浅草の銀泉に師事して銀加工を学んでまいりました。


蔵前はアクセサリーの聖地

幸いトゥーリーチワークスのある台東区は、御徒町に代表されるようにアクセサリーのメッカが近く、

鋳造を請け負う加工業者さんや、金属素材を扱うお店も多数あります。

その他にも近くの浅草橋には、ハンドメイドアクセサリーの部品問屋が軒を連ねていて

加工部材や部品を調達するのは大変便利で助かってます。


コンチョ・ラインナップ

これまで制作してきたコンチョの一部をご紹介いたします。


wing001

鳥の羽をグラフィック表現し、鏡面部との調和を持って製作したモノです。

彫刻した銀の板を重ねて屈みをつけてネジ部材を取り付けたものになります。




イーグル

鷲の頭部を象ったデザイン。直接、銀をタガネで彫ったディテールが暖かな風合いを醸し出しています。




ロビン

コマドリのシルエットをグラフィカルに表現したシンプルなデザインが魅力。

凹面に一度、硫化変色(クロ)させ、さらに磨き上げることで経年変化を予め表現しております。




ナイトメア(nightmare

溶かした素材をお椀型に流し込んだ自然のディテールを活かしたデザイン。

何度も試作を作り、イメージに沿ったもののみを採用。陶芸的な偶然の造形を試みました。

観る者(使用者)の見方でさまざまなイメージが広がります。




ナイトメア(nightmare

ナイトメアを小さくして縁どりを入れたデザイン。小さなホックや飾りに対応したコンチョ。

自然型の溶解模様と幾何学的な縁どりを対照的に扱っています。




フェザー

羽根の内側を彫り込んだデザイン。円形のコンチョの一部を羽根のディテールで変化を持たせました。

羽根の細かな彫りの反対側は鏡面を配置しデザインに緩急を出してます。




まだまだ、これからラインアップを広げていきたいと思ってます。

引き続きご期待の程をお願いします。

(日々の革製品を作っていると、なかなか新作に手を出せないんですよね